*先ほどUPした、このブログ本文とタイトルに記載のレクチャー開催日に誤りがありました。深くお詫び申し上げます。(2月2日深夜)
25日火曜日の部会も、また部員によるレクチャーでした!
今回の講師は菅原さん(女性)で、正式なテーマ名は明かされていないもの、少なくとも私にとって終始共感できる内容でした。
おそらくテーマは「人間の特性を受け入れること」で、菅原さんが保育士という実体験を交えて、面白くエピソードを語ってくださいました。
特に今回は自閉症とされている園児、後述のAくんとBちゃんについてクローズアップした内容です。
教会の家に生まれ、高校卒業後の進路を決める際、菅原さんはデザイナーを志望するもの、ご両親は保育士など福祉方面の道を推す一方だったため、争ったこともあったそうです。
でも結局、菅原さんも後者、保育士の道を歩んだそうです。
初めは抵抗を感じていたようですが、保育経験を重ねるうちに、この職を受け入れよう!という前向きな気持ちに変わったといいます。
保育園内でも、突然上長から担任を就任1カ月ほどで下されそうになったり、園児ともすれ違いがあったりなど、たくさんの困難と闘ったそうです。
ここからが本題、まずは園児Aくんが描く人物イラストをめぐり、新たな発見があったというお話がありました。
他の園児は、頭と胴体、足を的確に描いているにも関わらず、Aくんは頭から直接足を描いていたそうです。
初めは周囲の園児も菅原さんも、胴体がないAくんの絵がおかしいと思い、その部分も描くようにアドバイスしようと思ったそうです。
でも、菅原さんは「この(Aくんの)絵も個性あって面白いね~」とAくんの個性を受け入れる発言に変えたそうです。
そしてAくんは、自動車の絵を塗る際も、他の園児がクレヨン1色で塗るのに対して、複数色を重ね塗りして、混色、言い換えると独自の色使いを産み出していたそうです。
菅原さんの発言をきっかけに他の園児も関心を高め、Aくんのアイデアを採り入れるようになったそうです。
今度は女の子Bちゃんの話に。普段はおてんばなこの園児、でも昼ごはんの準備時には積極的にテーブルクロスを広げたり、テーブルをきれいに拭いたりしていたそうです。
それを見た菅原さんや他の園児たちも、その心遣いに目がとまり、みなでテーブルクロスを広げるのを手伝うようになったとのことです。
他にも、卒園式で菅原さんが、慣れないピアノ演奏で弾く手が止まっても、きちんと園児が元気にフォローして歌い続けてくれたシーンもあったそうです。
これにも菅原さんは「子供(園児)たちから学んだことは大きい」と喜びあらわに振り返っていました。
やはり、見た目では他人と違うかもしれませんが、これを個性として受け入れることで、周囲にとってもプラスの力になるんだなーと、改めてその大切さに終始感涙しそうになりました。
それらを話した後は、3年ほど前に菅原さんが在籍していた夕張市内の保育園の卒園記念DVD
を映してくださいました。
木登りや雪遊びなど、保育園在籍中の園児の遊びっぷりが、多数枚の写真がスライドショーとして流れていました。しかもタイトルは「夕張の自然をよく知っている人たち」。
身近に自然が多いこの地域らしく、木登りや川遊びなどで多少の危険がはらんでいようとも、保育士はほとんど手出しせずに園児たち自身が勇気を持って挑んでいました。
しかも、最後のほうでは、模造紙に園児自身がまだ習いたてのひらがなで、将来の夢などをたくさん書いていた映像もありました。
タイトルどおり、まだ育ちざかりスタートの小さな命と思えないほど、果敢に自然へ挑むという可能性の大きさに涙がこぼれそうになりました。
むしろ大人になった私たちにとっても勇気をくれた内容で、おそらく部員みなしんみりしていたと思います。
その後は園児たちがつくった作品たち
や、園児が書いた卒園文集などを皆で回し読み
していました。
我々大人では簡単に気付かない発想力に、みな喜びと驚きを隠せなかったようでした。
今回のレクチャーは、どの部員も、人間個々の可能性の大きさに心から感動でき、それを再認識できたものになったと思います。
今までで一番勇気をもらえたレクチャーだと言って過言でないと思います!
【写真協力】 加藤 康子/【文】 兼田 泰成