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公開講座 ブラサトルさんの「札幌市電唱歌」で都心・山鼻の歴史散歩!

d0246751_922128.jpg 3月13日の部会は、 ブログ「ブラサトル」で、古い地図や写真、各地の看板や地名、道、鉄道が語りかけてくる言葉を、分かりやすく楽しく読み解き発信されている和田 哲(わだ・さとる)さんを講師にお迎えして「札幌市電唱歌」と題して、お話いただきました。

「鉄道唱歌」なら知ってるけど、「札幌市電唱歌」ってあった? と思われる方も多いでしょう。
その通りです。 これは和田さんが、こよなく愛する札幌市電に捧げたオリジナルの唱歌です。
以下、和田さんご自身による今回の講座の紹介文です。

100万都市・札幌で、いま最も熱い乗り物といえば「市電」。
かつては全面廃止さえ検討されたこともありましたが、
環境や人へのやさしさなどが見直され、
ついに、路線延伸と新車両の導入が決定しました。

私は、明治時代に作られた日本一長い歌、
「汽笛一声新橋を」の出だしで有名な「鉄道唱歌」になぞらえ、
札幌市電沿線の風景や歴史をまとめた「札幌市電唱歌」を作りました。

現在、市電が走るのは、札幌でも旧市街中の旧市街といわれるエリア。
札幌の成り立ちが凝縮されています。
古いものと新しいものとが混在する不思議な風景の中を、
「札幌市電唱歌」と一緒に散歩しながら、街の歴史を楽しく語り合いましょう。


当日は、和田さん作詞による「札幌市電唱歌」が美しい冊子となって参加者全員に配られました。
中を開くと、札幌市電路線図の見開きと、
本文は西4丁目駅から順に巡って、最終すすきの駅まで、全38編。
それぞれの駅や付近の歴史や地域の特徴が、4行の詩にまとめられています。
詳細な内容は、ブログ「ブラサトル」に紹介がありますので、そちらをご覧になってください。

札幌の観光ガイドでこのまま売り出したら、名所土産に大人気になるのではないかと思われる素晴らしいテイストのテキストです。
OYOYOにも若干、残部をいただきましたので、置いてあります。(先着順のため在庫切れご容赦)

お話は、札幌の開拓の歴史となぜ現在のような交通網が整備されるに到ったか、から始まり、
札幌市電の登場までを、豊富な資料で語り、それから各市電のお話へ。

 和田哲作 札幌市電唱歌第1番 【西4丁目】
   4プラ前の十字街
   雨音消えて 雪となり
   西四丁目の電停で
   乗り込む電車の暖かさ


和田さんは既にsapporo6hほかで知られたプレゼンの名手ですが、「札幌市電唱歌」の詩篇すべてに流れる、札幌への深い愛情と詩情は、スライドが進むにつれて、会場全体をヒタヒタと覆い尽くし、全員が同じ波に飲まれたかのよう。

かつて中央図書館の近くに北海道教育大学があって、市電は学生で賑わっていたこと、
札幌に天皇陛下「お声がかりの柏の木」というものがあること、
行啓通りがなぜ現在の位置に開かれて、その命名となったのか、ということ
札幌人にはおなじみの、ススキノ交差点のニッカの髭のおじさん(ローリー卿)の看板は、既に3代目であることなど、
住んでいながら、知らなかった足元の歴史を、楽しく共有させてくれました。

講義の2時間は、あっという間に過ぎ去り、名ガイドに導かれての濃密な歴史と地理旅行の余韻が、心地よい高揚感となって、講義終了後の会場全体が、楽しく賑わう形に。

最後の質疑応答後も、和田さんを囲む人の波は途絶えず、和田さんが実際に持参して下さった大正時代の札幌の古地図を巡って、長いこと来場者とのお話が続きました。
社会人の来場者が大半だったのですが、まるで放課後の相談をする男子会のノリのよう。

和田さん、素晴らしいお話、本当にありがとうございました。

この冊子は、ゆくゆく和田さんの監修で札幌市の観光ガイドとして発行される日が来るような、もしくはその原型となるような、そんな気がします。


※ 和田さんのブログ「ブラサトル」  http://burasatoru.cocolog-nifty.com/blog/

※ 蛇 足 : 札幌市中央区のホームページの「市電倶楽部」
        http://www.city.sapporo.jp/chuo/shiden/index.html
        札幌市中央区のホームページの「市電倶楽部市電の歴史」(動画配信中)
        http://www.city.sapporo.jp/chuo/shiden/movie.html 
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by oyoyosapporoart | 2012-03-21 08:45 | レクチャー

公開講座「アートが社会を変える:医療現場の建築と芸術」

d0246751_222932.jpg 2月21日の部会は、札幌の美術史家 ブルース・ダーリング先生(Bruce DARLING Ph.D. アートミーツケア学会理事)を講師にお迎えして、一般公開講座を開催しました。

会場には、札幌の建築家、ギャラリー関係者、美術作家など、アートと医療と建築に関心を持つ大勢のお客様がいらして下さいました。

ブルース先生は、ロチェスター大学、早稲田大学、、ミシガン大学等を修了、
九州保険福祉大学教授ほか、延岡市景観都市審議会委員などを歴任され、
ウィリアム・モリスの業績についてや、シルクロード学研究のお仕事もあります。

ダーリング先生のお話は、映画「パッチ・アダムス」で有名なクリニクラウン(臨床道化師)の紹介から始まりました。
クリニクラウンは、入院生活を送る子どもの病室を定期的に訪問し、遊びや関わり(コミュニケーション)を通して、子どもたちの成長をサポートし、笑顔を育む道化師のこと。
日本でも、九州医科大学ほか実践例があるそうです。

そして、お話は、先生がスウェーデンのヴィーダル・クリニーケン病院を訪問された時のことへ。
  ヴィーダル・クリニーケン病院
  http://www.vidarkliniken.org/

  ※ 参考資料 「スウェーデン見聞録、私がシュタイナー病院で学んだこと」 服部友香
    『体験医療マガジン Lattice』(2002年1月1日) vol.1号 掲載
    http://namajohogehoge.heteml.jp/backnumber/vol1.html

この病院は、スウェーデン・ストックホルム市から約50kmのヤーナ市にあります。
北欧で唯一、ルドルフ・シュタイナーの人知学医学に基づく病院で、 アートとデザインで患者さんの心と身体の均衡を取り戻す手助けをしているそう。

建物の構造自体も、木材を豊富に使い、曲線やカーブを取り入れて作られた美しい空間です。

人智学医療には、薬剤などを中心としたものと、「芸術治療」とがあるそう。
なじみのない言葉ですが、芸術治療には、
オイリュトミー(舞踊)や音楽、絵画、線描、彫塑などがあり、先生は訪問時のスライド写真を投影しながら次々に、その意図や効果について説明して下さいました。

建築がそこに住まう人の心身の状態に深く関わっていること、深く納得させられました。

お話は続いて日本の事例へ。
日本の病院にアートを導入している事例として、大阪に拠点をおくNPO法人アーツプロジェクトの活動を紹介されました。
  NPO法人アーツプロジェクト
  http://www.arts-project.com/

このNPO法人は、アートの力をもって、病院などの医療環境をより快適な癒しの空間とすることを目的に活動しているそう。
小児がベッドで搬送されていくとき、眼に入るであろう天井に森の絵が描かれていたり、
廊下の壁に池や緑の絵が描かれているなど、スライドで幾つも事例を見せていただきました。
アーティストの協力を得たり、芸術大学と協働したりして、作業を行ってきたそうです。

来場者は、それぞれメモをとったりしながら、熱心にお話に聞き入っていました。

最後に質疑応答の時間がもたれ、それでも聞き足りない方々が、講座終了後もダーリング先生と話しこむ姿が。

ダーリング先生、ご来場の皆様、本当にありがとうございました。


※ ご参考
 ブルース先生の論文 「癒しの建築の可能性 : ヴィダール・クリニーケンを事例として」 などは
 CiNii論文検索のサイトで、PDFファイルで読めます。
 
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by oyoyosapporoart | 2012-03-11 18:49 | レクチャー